27日の京王閣記念最終日に行われた7月デビューの117期によるルーキーシリーズプラスは、唯一S級の山口拳矢が人気を集めたが、勝ったのは自転車競技で活躍していた実力者の青野将大。117期は近い将来S級上位で活躍することが約束されている選手の宝庫だ。
スピードが全盛の競輪になり、ベテラン勢は苦戦が続いているが、その中でもキラリとした成績を残しているのが広島の吉本哲郎(41=84期)だ。9月に防府FⅠ戦を捲りでV。それ以前もコンスタントに決勝進出を決めている。その活躍の秘けつは弟子たちとの切磋拓磨(せっさたくま)にある。その1人が117期でもトップクラスの実力を持つ町田太我だ。
「頑張れているのも弟子たちのおかげです。負けたくないですから。町田と練習でモガけばほとんど負けるでしょう。それでも競走では違う。彼らに言っているんです。強くはないよ、速いだけだって。ボクらは漢字の競輪をしているんだって話しています」
40歳を超えても自力で戦い続けている。「先行は勇気があるかどうかですから」。この熱い気持ちがパワーの源だ。他の地区からも吉本を慕う選手は多い。26日からの高松FⅠ戦でも、ガールズの林真奈美らが、レース後に自転車のセッティングを含めたアドバイスを求め、それに熱心に応える姿があった。このシリーズは練習中の落車からの復帰戦ということもあり、決勝進出はならなかったが、体調が万全になればさらなる活躍は必至。新人に負けない熱い走りに注目だ。
【記者コラム】吉本哲郎 ルーキーに負けん!!
2020/10/28